バリアフリー2014に行ってきました
バリアフリー2014に行ってきました.
全体の印象としては,一時期規模縮小気味だったのが盛り返してきたなあという感じです.新興のカテゴリとして,介護ロボット,在宅ケアのクラウド管理システム,が伸びてきたことによるものでしょうか.
インテックス大阪の利用状況としては
バリアフリー2013では
1号館:使用せず
2号館:福祉車両,車いすなどの移動機器
3号館:ベッド・マット,入浴関連,トイレ設備,施設用設備・機器
4号館:慢性期医療展&食のゾーン,介護関連,自助具,コミュニケーション機器・各種サービス,図書・文献
5号館:住宅関連連,リフト・昇降機,介護予防・リハビリ,各種コンピュータシステム
その他:センタービル2階で基調講演と特別講演.6号館2階会議室でセミナー.
だったのが
バリアフリー2014では
1号館:入浴関連,トイレ設備,介護予防・リハビリ
2号館:介護関連,自助具,コミュニケーション機器,緊急警報.セキュリティ関連,各種サービス
3号館:ベッド・マット,各種コンピュータシステム,施設用設備・機器,図書・文献
4号館:福祉車両,車いすなどの移動機器,住宅関連,介護ロボット
5号館:福祉車両,車いすなどの移動機器,,リフト・昇降機
その他:センタービル2階で特別講演.6号館2階会議室でセミナー.
となっています.1号館分増えています.
で,ざっと数えたところ,
バリアフリー2013の出展社数が307
バリアフリー2014の出展社数が411
で,めっちゃ増えてます.何があったん? by my Abenomics?
で,以下,個人的に面白かったものを.
視聴覚の感覚機能の製品に関しては,結構もう成熟していて新製品的な者は無いなあと.ただ,携帯型の電子ルーペ/拡大読書機が各社海外製のものの輸入代行が増えてきたなあという印象.
こうやって技術がコモディティ化すると,中国や東南アジアで製造したものが増え,値段が下がる感じです.高機能の拡大読書機は相変わらず20万弱.で,前述のように,シンプルに機能を割り切った製品が3万円前後で出てきています.で,中間の性能のものはだいたい10万円弱.アイウェアや助聴器については,少しずつ新製品が出てきていて,小型化,高性能化されている印象です.
面白かった製品はアメディアさんのところで販売されていた
・よみいろ:光と色の検知&読み上げ機.24800円
http://www.amedia.co.jp/product/etc/yomiiro.html
・メテオ:ポケットに入れておく触読式時計.3つのボタンが付いているだけのデザイン.3つのボタンはそれぞれ,時間・分(10の位)・分(1の位),に対応していて,押せば振動回数でそれを伝えてくれます.13000円.
http://www.amedia.co.jp/product/etc/meteor.html
あと,昔からあるスキャナ一体型音声・拡大読書機「よむべえ」は「よむべえスマイル」になってマイナーチェンジ.手書き文字のOCRプログラムを追加で入れられたそうです.
あと,気になったのは点字・点図プリンタ アーチBP-S
http://www.2949n.com/prod/06.html
499800円と従来品に比べて低価格です.
点字プリンタ系って,点訳ソフトとセットで考えないと使い勝手が分からないので,使い勝手についてはなんともいえません.
データを読み取るドライバーは専用のものが付属しているようですが,点訳のソフトがどうなっているのか,質問しそびれてしまいました.
で,ATやコミュニケーション機器等の関連.
橋本義肢制作株式会社さんのPalette.
従来あった赤外線コントローラータイプの環境制御装置をタブレットのインタフェースで行えるようにした製品.ウェブサイトが無かった…
で,特に面白いなと思ったのが,これのオプション品のベッドスイッチコントローラー.
開発元のこれと合わせた製品なんだけど
http://www.cosmo-info.co.jp/product-info/medical-welfare/bsc/
興味深かったのは「ちからわざ系」のインタフェース.
ベッドスイッチって赤外線操作に対応してないんですけど,それを無理矢理(?)このコントローラーに固定して,赤外線対応のコントローラーのアクチュエイターで物理的にベッドコントローラーのボタンを押して,無理矢理赤外線対応にするという製品.これ,応用効くよね.
コミュニケーションエイド系は特に目新しい製品は見つけられなかった.
っていうか,出そろっているように思う.
じゃあマーケットとして成熟しているかというとそれは違う.
結局,どう使えば良いか,の知識の部分が普及不足.というわけで各出展者さんはセミナー等の普及が大変だ,とおっしゃっていました.
個人的にこのようなコミュニケーションエイドはニーズのある人に全然届いていないように思う.ニーズのある人(コミュニケーションに(重度の)障害のある人)が直接の購入者じゃないってのがむずかしいところなんだろうなあ,と.
新製品見つけられなかった,と書いたけど,株式会社ユープラスさんのぽんぽんわーるどきんぎょすくい,というiPadアプリは新製品です.300円.安い.
これは,トーキングエイドAPPの時に売り出されたワイヤレススイッチボックス対応のアプリ.外部スイッチでiPadで遊べる.
画面タッチしたら良いのになぜ外部スイッチ??と思われるかも知れませんが,外部スイッチは重要なのです.
iPadはiPad内のアプリしか操作できません.でも,外部スイッチは世の中に出回っている多くの製品に取り付けることができるので,身体を動かすことが困難なこどものできることを増やすことができるんですね.
で,このぽんぽんワールドはiPadでできる金魚すくいゲームを,外部スイッチでもできるようにして,徐々に外部スイッチの使い方を遊びの中で学んでもらおうということを狙ったアプリ,だそうです.
あとはやっぱり株式会社アシスト・アイさんのところから発売されているOAK.
http://www.assist-i.net/at/service/product/oak/
OAKというのは,Observation and Access with Kinect の略で,Kinectのカメラとモーションキャプチャ機能を使って,身体のほんのわずかな動作を検出してスイッチにしてしまうというスイッチインタフェース.
これ,何がすごいって類似製品が無いこと.あと,8000円.Kinectが20000円としても足して30000円未満.もちろん,PCは要るけど.でも,Windowsであれば動くので投資額としてはすごく低い.
地味に高機能.任意で動かせる箇所を探しにくい人もいるなか,OAKはカメラを通じた画像解析で,最も動いてる箇所を数十秒で見つけて,スイッチ化してくれる.口角が数ミリ動けばそれだけでスイッチのオンオフが可能になる.身体に何も装着しなくても.これってユーザーはそれほど多くないかも知れないけれども,これで人生変わる,という人は多いと思う.
話がどんどん飛びますが,ブログなんで勝手に行かせていただきます.
NPO法人共用品研究会関西 さん
毎年出展されているのでおなじみ,って感じなんですけど.今回初めて知ったことがあって.っていうか,前からあったのか,これ.
障がい者モニター派遣制度
http://kyoyohin-kansai.org/wp/432
またまた話は変わって,介護ロボット系の話.
過去にもちらっと書いたんですけど
■国際福祉機器展 H.C.R. に行ってきました
http://okakohei.com/archives/781
■番組にまつわるエトセトラ
http://okakohei.com/archives/813
正直,パワースーツのニーズがイメージできてません.
新しい領域なので,イメージできないのかも知れませんけど.
印象としては介護ロボットについては国が普及のためにすごく予算突っ込んでるなあという感じです.
介護ロボットってコミュニケーション系とパワースーツ系があって.
どっちも勢いがすごいなあと.
僕はこの辺はあんまりコメント控えておきますが.
なにせ,自分で使ったことないので,勝手なことは言ってはいけません.
で
モーターとか,電源のない歩行アシスト製品がいくつか出てました.こっちの方が興味あります.
IMASENさんの ACSIVE
http://www.imasengiken.co.jp/s/s-walker.html
ちょうど歩行困難なおばあさんが試着していて.
あー,確かに歩きやすいなあ,方向転換はちょっとしにくいけどなあ
とおっしゃってました.
こんな感じで軽くて装着が簡単な方がニーズあるんじゃないかなと.
リハビリするにしても.
あと,これ関連で NEDOブースに出ていた
株式会社スマートサポートさんの軽労化スーツ(スマートスーツ)
http://la-classy.net/smartsuit
試着させてもらったんですけど,確かにほんのちょっと屈伸が楽.
つづいて,移動支援関連で.
IMASENさんの電動簡易移乗機I-PAL
http://www.techno-aids.or.jp/robot/pdf/25-013.pdf (リンクはPDF)
なんでウェブサイトないんでしょう,
車いすからの移乗って結構大変です.リフトタイプは役立ちますが,バンドで身体を固定したりする必要があるので.ってことで,車いすからそのまま前に寄っかかる感じで使える簡易移乗機はそれなりにニーズがあるのだろうなあと.利用できる人は限られるとは思いますが.
同様の製品で
ARTPLANさんの愛移乗くん
http://www.artplan.ne.jp/fukusikiki-kaihatuayumi.html
このタイプの移乗機で半手動ものとしては
大和ハウスさんの免荷式リフトPOPO
http://www.daiwahouse.co.jp/robot/popo/index.html
っていうか,大和ハウスさんロボット事業への注力がすごいです
http://www.daiwahouse.co.jp/robot/index.html
高齢期疑似体験システム シニアポーズ
http://www.daiwahouse.co.jp/robot/seniorpose/index.html
これなんかは,実験系の心理学者もつかえそうです.
上記の事業の中で個人的に一番期待しているのは自動排泄処理ロボットです
http://www.daiwahouse.co.jp/robot/minelet/index.html
えー,話はまたまた変わって.介護系のレクリエーション.
製品がどうこういう話以前なんですけど,自分の祖母とか祖父がね,施設にいたときのことを思い出してしまいました.
折り紙おったりね.タオルたたんだりね.みんなで歌歌ったりね.
これ,自分やったらやりたいかなって.要は,利用者も暇をもてあましてる.介助者は1対1対応できない.どうせやるなら,リハビリにも繋がることを.的な発想ですよね.これしか解決策無いんか?って思いますけど,今のところ無いんでしょうね.
レクリエーション系のブース,いくつか出てました.
面白かったのは第一興商さんの製品とサービス.あのDAMの第一興商ですよ.カラオケの.
DKエルダーシステム
http://dk-eldersystem.com/
こういう分野への参入.なるほどなあ,と.
コンピューターよりもカラオケセットからの方が,結構取っつきやすい人も多いのだろうなあ,と.
カラオケのシステムって画面と内蔵コンピュータと,通信サービスがセットなんですもんね.コンテンツどんどん導入できますやん.
いや,これ,すごいわ.
あと,面白かったのは健康管理系.
Panasonicさん のデジタルミラー.
http://www.nikkeibp.co.jp/article/dho/20120717/316208/
これはそっと見守る感じですね.
あと,もう一回介護ロボットに戻りまして
melihatさんのネット介護ロボ「みと〜ね」
http://www.melihat.jp/top_mitone1.html
要は部屋に据え置くネット対応監視カメラなんですけど.
監視カメラを部屋の中におくというのは,意見の分かれるところだとは思いますが.
介護ロボットって増えてますね.
今後どうなっていくのかなあ.
以上,とりとめもない雑感です.
1 thought on “バリアフリー2014に行ってきました”