子どもが見て興味をもっているもの

子供の感性は素敵だなあと思うことが多くあります.
本人にどうしてこんな絵を描いたのか,これのどこが好きなのか嫌いなのか,などと質問しても,親が求めるような答えは返ってこないですよね.
うちの双子になんでこの絵を描いたの?と尋ねても…  すきだから おもしろいから   
なんで好きなの?と尋ねても…    んーーわかんない

この子らはどういうものに興味があって,世界をどう見ているのだろう? と気になります.
これは昔から僕が興味を持っていることで,長男が4歳11ヶ月の時に頭にGoProを装着させて公園で遊んでいる様子を撮影したことがあります.

子どもの目線

で,うちの双子はどうなんだろうと思ったわけです.
同じ方法で撮影しても良かったのですが,違った方法を試してみたくなりました.

双子だから同じようなこと考えているのかな?とも思いましたが,双子といえど他人なんだから考えも違うだろうな,とも思うわけで.

そういうわけで,双子らにカメラを持たせて,操作方法を教えたうえで興味を持ったものを撮ってみて,と伝えてみました.
同じタイミングで同じようにカメラを持った双子は何を撮るのか

双子弟の作品を時系列に並べてみました.
左から右,上から下に時間が流れています.
①②③④⑤
⑥⑦⑧⑨⑩
といった感じです.
何も映っていない写真(=真っ暗)は削除しています.あと,すっぴんの母と,父の生尻と,近所のお友達の顔写真は削除しました.
父の生尻は載せても良かったのですが,逮捕されそうだな…と考え直しました.

続いて双子兄の作品を時系列に並べてみました.

遺伝子的には100%同じ二人ですが,何に興味を持っているか,というのは違うようです.

双子弟は静物を撮るのがうまいなあと思います.あと,色使いがうまいと思います.
双子兄は人物を撮るのがうまいなあと思います.それぞれ興味を持っているものが違うんでしょうね.

こういう手法はその人が何に興味を持っているのか,ということを読み解くのに使えそうだなと思っています.

例えば知的障害のある人にカメラを持ってもらって撮影してもらうという手法を用いている研究はいつくかあります.

知的障害のある生徒に対する写真撮影を利用した報告言語行動の増大
林・中鹿・望月(2011)

上記では他者に何かを伝える(報告する)行動の増大をねらうために写真を利用しています

他にも

知的障害者が働く作業現場におけるデジタルカメラ活用の効果
永澤・熊井・渡部(2008)

上記では作業手順の理解を促進するために写真を利用しています

このように本人が他者に何かを伝える,本人の理解を促進する,という文脈で写真が使われることが多いように思います.
でも僕は,写真を「本人が興味を持っていること(考えていること)を他者が読み解く」ために使うのが面白いなあと思っています.

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