ハフポストの取材を受けました

Twitterへの投稿がきっかけで、ハフポストの金記者から取材を受けました。

「バリアフリーか、景観か。美しい「カーブした点字ブロック」が視覚障害者にとって不親切な理由」
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_62847d27e4b0c7c10779b5f6

私が伝えたかったことのポイントだけ、以下にまとめておきます。

①視覚に障害のある人の移動のアクセシシビリティーの保証ニーズと、一般ユーザーの景観ニーズを対等なものとして扱うのはおかしい。ユーザー数としては前者のほうが少ないが、前者の方が重要である。とはいえ、後者を全く無視して良いものとして扱うのもおかしい。よって、視覚に障害のある人の移動のアクセシビリティーが保証されることを前提とした上で、多くのユーザーにとって利用しやすい条件とは何かということを議論する必要がある。

②点字ブロック(視覚障害者用誘導ブロック)はその形状についてはJIS規格があるものの、敷設に関しては明確なルールがない。現状として、国交省の「バリアフリー整備ガイドライン」があるが、カーブ形状の敷設に関しては特に言及がない。
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/sosei_barrierfree_mn_000001.html
カーブ形状の敷設については国立身体障害者リハビリテーションセンターの「リハビリテーションマニュアル13」
http://www.rehab.go.jp/application/files/7315/2039/6446/07_13_01__PDF2.4MB.pdf
がある。ここでは点字ブロックのカーブ設置に関する例が示されているが、これは2003年に作成されたものであり、時代的には古い。交通バリアフリー法が施行されたのが2000年なので、そこから3年しか経過していない。この作成には日本盲人会連合も関わっているため、当時としてはこの敷設ルールが受け入れられていたもだと思うが、視覚情報が利用できないなかで、どの程度移動の角度が変わったのかが分かりにくいということはやはり課題があるといえるだろう。そのためか、現在においては点字ブロックの敷設に関しては移動方向が変わる場合には基本的にクランクによる角度変更がとられている。

③上記を踏まえ、今回の話題のきっかけとなった某駅の点字ブロックについては、今後の改修の折には改善されれば良いなと思う。この手のビルトインタイプの点字ブロックだと、改修にもお金がかかる。なので、問題が認識されていたとしても改修までのタイムラグが生じる。改修にはユーザーの声が反映されればいいなと思う。おそらくこの手の公共交通機関、しかも利用者が比較多く見込まれる路線だとおもうので、ユーザー調査がなされないということはないと思うが。

④余談だが、ユーザーでない人も想像してほしいことについて書いておく。点字ブロックを利用している視覚障害のある人を見たことがないという人はほとんどいないと思うが、視覚障害のある人がどのように点字ブロックを使っているか、知っている人は少ないと思う。点字ブロックを両足で踏む人もいれば、片足だけで踏む人もいる。凹凸が歩きにくいという理由から、点字ブロックの付近を歩き、ときどき確認するように踏む人もいる。また、慣れた道の場合は全く利用しない人もいる。白杖をブロックに沿わせる人もいれば、左右に白杖を振って道を確認しながらあるく人もいる。ともかく視覚障害のある人のなかにはさまざまな人がいて、さまざまなニーズがあるということを知っておくのは大切だと思う。そして視覚障害に限らず、自分にはないニーズがある人というのがこの世の中には無数に存在し、あなたのニーズが他者から理解されないこともきっと無数に存在する。他人のニーズに関心を持つということは結構大切なことだと思う。

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