けじめをつける支援

私には子どもが三人おります。三歳半の長男と、一歳半の一卵性双生男児。三人の男児ということで、毎日家じゅう大騒ぎです。今回は長男が3歳になった頃の話を書きたいと思います。ある日、長男の調子がすこぶる悪いときがありました。夜中、起きたと思ったら泣いて、よくわからないことを口走る。それから喉が乾いたとか、オムツにオシッコしてしまったとか言って泣く。お茶を飲ませても、オムツを変えても泣くわけです。夜中起こされて、何をしても泣き止まなくて、泣きたいのはこっちです。

起きて来たうちの奥さんに事情を聞いたら、どうもその日、保育園でなんかあったみたいでした。先生曰く、保育園で友達のおもちゃをとったり、友達の作りかけのブロックを壊して、散々先生に怒られたとのこと。理由はよくわからないのですが、ともかく長男が悪いことをしたようなので、まあ怒られるのは当然なわけです。100%長男が悪いのかどうかはまた別ですが。

長男は目が痛い足が痛い○▽%#とわけのわからんことを言いながら泣きつづけるわけです。これは良くないなあと思って、半分寝てるので抱きかかえて起こして話を聞きました。

「今日は嫌なことがあったの?」
『いやなことがあったの。』
「友達と喧嘩したの?」
『おともだちとけんかしたの。』
「なんで喧嘩したの?」
『おともだちのおもちゃとったの。』
「誰が取ったの?」
『○○(長男の名)がとったの。』
「ゴメンなさい言えたの?」
『ごめんなさいいえた。』
「じゃあもう終わりだよ。ゴメンなさい言えたからいいよ。もう終わり、大丈夫。今日は嫌なことあったけど明日はまた楽しいことあるよ。」

というと、なんとなく納得したようで、寝てくれました。

詰まるところ、自分の中で今回の事件が終わってなかったので、寝られなかったのだと思います。まだ自分でケジメの付け方が分からないのでしょう。うちの奥さんが、じゃあそれは先生の叱り方が悪かったの?と私に聞くわけですが、それはそうなのかもしれないけれど、そこまで先生に求めるというのも何か違うなという気もするわけです。そこは親の仕事な気がします。

知的障害や自閉症の子どものいわゆる「問題行動」と呼ばれるものの原因に、実はこの「自分でケジメがつけられないこと」が関係していることが多いのです。その結果、自傷や他傷、問題行動の繰り返しが怒ってしまう。で、大人はそれをみて「困った子ども」なんていうわけです。困っているのは子どもの方なのに。

そういうときには、できれば一緒に原因を見つけてあげて、それに対して終わりの区切りをつけさせてあげると、一発で問題が解消することがあります。もちろん全て解決するわけではありませんが。え、あの件をまだ引きずってるの?という、嘘みたいなことが実際にあるんです。一般の大人は嫌なことがあった時、人に愚痴る、酒を飲む、スポーツで汗を流す、などといった自分なりに気分の切り替え方を工夫します。それができないとどうなるか想像してみればいいわけです。どうですか?子どもだから、障がいが
あるから、といった発想ではなく、誰でも同じで、程度に差があると考えるといいですね。
(このコラムはサポートネットワークアミーカウェブサイト掲載用に書いたものを転載しています.)

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