スマホゲーム中毒と課金地獄からの脱出

Posted by Kohei on 1月 1, 2017 in 思いつきコラム |

*2017/01/14 データを更新して内容を修正・追記しました

あけましておめでとうございます.
昨年初めに更新頑張る宣言した私ですが,結構あっさりと失速してしまいました.
今年は頑張るぞ,と言いたいところですが無理です.
ただ,時々頑張ってそれなりのボリュームの記事を書くというポリシーは持ち続けたいと思っています.

さて,今回は表題のことについて書こうと思います.
私の個人的経験の話です.「中毒」「地獄」ってまあ大袈裟ですよね.そこまでのものではないような気もします.

とはいえ,課金がやめられない,翌月のカード請求が恐ろしくてイライラし続ける,起きている間はゲームのことを考えてしまう,隙あらばゲームをしてしまう,そしてそれのせいで親指腱鞘炎,首の筋を違えて曲げられなくなる,眼精疲労が行きすぎて目が開けられなくなる,などの症状を頻発していました.まあこんな風になる程度にまでハマったよ,ってことです.

ところで,スマホゲームにおける課金関連の用語としてこんな分類があります
・無課金:全くお金を使わずにゲームを楽しむ
・微課金:ときどき,ほんの少しだけ課金する
・重課金:かなりの金額をゲームに突っ込む
・廃課金:生活に支障が出るレベルでかなりの金額をゲームに突っ込む

ここで重要なのは重課金と廃課金の線引きですね.ここは額の問題ではないのです.生活に支障をきたすか否かがそのラインであるというのが私の定義です.私の場合はそこそこの金額を突っ込んでいたのですが,そこそこ支払い能力もあったので,なんとかなっていました.しかしながら上記のような健康障害と支払い能力の限界が見えてきたために課金をやめること試みることになりました.

私が最もお金を突っ込んだゲーム,それはパズル&ドラゴンズ(通称:パズドラ)です.
なぜ始めたのか?それはまぁゲームがしたかったからというのが一番大きいのですが,それと同じくらい大きな動機が「研究者としての関心」です.巷で話題になるような「子どものケータイ課金問題」って実際どんなもんなんだろう,自分で経験してみないとわからないことってあるよね,というものでした.で,ミイラ取りがミイラになるという極めてシンプルなストーリーです.

私がパズドラを始めたのは2013年の10月ごろのようです.

で,その次のパズドラに関するTweetがこれです

からの,これ

もうダメな感じですよね.ハマってしまっています.
掛け値無しに申し上げますが,パズドラってゲーム史上に残る傑作だと思います.ゲームとしてめちゃめちゃ面白い.システムとして新しく,従来のパズルゲームと一線を画すゲームになったと私は思っています.なので私自身は課金は「させられた」のではなくて「名作をどっぷり楽しんだ」という感覚なんですよね.負け惜しみみたいに聞こえるかもしれませんが,本当なんです.

とか言ってますけど,これこそ負け惜しみですね.実際は全然飽きてない.ここから3年間どっぷりハマっていくわけです.

パーティーの組み合わせの妙に気づき,パーティーメンバーを揃えるために課金への欲が増していきます.当時は自分は社会人でありその辺の中高生と稼ぐ金額が違うのだから,課金しちゃえばいいじゃないという感じでした.

もう完全にハマってますよね.ヤバイ感じがうかがえます.本人も薄々気がつき始めましたが,もうどうしようもない感じです.

これはね,本当にこんなものに100円払うなんてなんてもったいない…って思ってるんですよ.本気で思ってるんです.でも一方で,たかが100円で楽しめるんだから安いもんじゃないか,とも本気で思ってるんです.頭の中で天使と悪魔が戦う感じ?

ヤバイですね.勉強代高すぎぃ〜
一方でね,メリットもあるわけです.

こんな感じで,実際の臨床の場ではコミュニケーションを円滑にするツールとしてめちゃめちゃ役に立つわけです,パズドラ.
何も話してくれそうにない子とパズドラの話題をきっかけにして話が盛り上がることといったらもう!

でもね,生活リズムがね,狂っていくんですよ

これは良くないですよ.本気でやめようと思いました.でももう時すでに遅し.本気でやめようと思えないんです.「本気で課金をやめよう」が正確なところなんですよね.「ゲームは面白いからやめたくない.でもお金を使うのやめよう,時間を決めてゲームしよう,そうすれば問題ないじゃないか」という発想なんです.今なら確信を持って言えます.これ,うまくいきませんから

こうやって苦心しているにもかかわらず

新しいキャラは出る,ゴッドフェス(強いレアキャラの的中率が上がるフェス)はしょっちゅうある,システムの変更も起こる.
もうその度にどんどんお金を突っ込んでいってしまうわけです.

とか言ってますけどね.もうこれ苦し紛れの言い訳ですよ.youtube見てると本当にすごく上手い人の動画がわんさか出てくるわけです.エルモアさんとかとうふさんとかダチョウさんとか本当に神です(コスケは…上手いけど素直に認めたくない!)
で,自分も学んだことを試したくなってまたゲームに戻っていくわけです.みんながやっている流行りのパズドラをする→謎の競争意識が生まれて再びパズドラに熱中する→ネットサーフィンをしていると,気づいたらパズドラ関係のまとめサイトやプレイ動画を漁ってしまう,と言った感じで社会との接点だと思っていたパズドラが,ひとつの大きな閉じられた世界になっていくわけです.実際は身の回りにパズドラにハマっている人は多くないですよ.なんせ社会人ですから.でも,その中でももうパズドラやっている人しか目に入らなくなっていくわけです.

もうね,完全なマッチポンプ.課金するとね,スカッとするんですよ.イライラが消える.本当に.レアキャラ引き当てた日なんかにはね「課金してよかったー!課金最高!!」ってなるんですよ.

なんというか,修行?「パズドラ道」みたいなものになっていくわけです.

やめたいけどやめられない.本気でやめたいけど,本気でやめたいわけではない.飽きたけど,急にやりたくなる.みたいな矛盾を抱えながら日々が過ぎていきます.お金と体力がもう限界です.

さて,一体私はどれくらいお金を突っ込んだんでしょうか.

本人の感覚としてはこんな感じです.「魔法石1個で120円やろ?で,5個で480円.どう考えても5個の方がお得やろ?」「今日は仕事頑張ったから自分へのご褒美に魔法石30個.2000円やし,まあいいやろ.だって1個120円やから30個バラで買ったら3600円やで?それが2000円ってだいぶお得やろ?」と言った感じで自分で自分に言い聞かせるというか丸め込むというか.

気づいたらカードの請求がすごい額になってしまってるんですよ.
そんなに使っているつもりはないんです.1万3千円くらいかな…とか思ってたら2万1千円の請求がくるわけです.思っているのよりもだいたい1.7倍くらいの請求がきます.主観ですけど.これ,本当に自分が課金したのだろうか?と思って確認してみると確かに課金しているわけです.もう自分の意思でコントロールなんてできないんですよね.

で,実際に額を計算して見ました.請求金額の履歴が残っていると思っていたのですが,Appleがアプリ内課金の領収証をメール配信してくれるようになったのは2015年の2月からのようです.なので,2013年10月から始めた課金の全貌はわかりませんでした.

で,とりあえず,2015年2月から2016年12月の課金額をまとめてみました.

2017年1月14日追記&修正.

iTunesでこれまでの全課金額を調べる方法がわかりました.
ひとつひとつ手作業で入力していかないといけなかったのでデータとしてまとめるのが大変でしたが…

というわけで,改めまして,2013年10月から2016年12月の課金額をまとめてみました!!

スマホゲームへの課金額の変遷グラフ

以前のグラフと多少の金額のズレがあります.理由は前回の集計は「領収証」ベースで集計していたため,注文日(課金日)が異なるものに対して,数日後にまとめて発行されたデータを使用していました.そのため,異なる日の課金が後日集計されていたり,それによって月をまたいだりしてしまっていたのです.今回のデータは注文日ベースでの集計です.というわけで,多少のズレがあります.データとしては今回の方が正確です.

2015年2月から2016年7月までの18ヶ月で252160円です.失神しそうです.
2013年10月から2016年7月までの34ヶ月で440640円でした.切腹するしかありません.このお金にはおばあちゃんがなくなる前に僕にくれたお金も含まれています.合掌.チーン.

このグラフ見ると,「やっぱり,課金額って徐々に増えていくんだなぁ…」という子供みたいな素朴な感想が出てきました.

それなりに抵抗の跡も見られますよね.課金額が高かった翌月には少し減ってますもんね.

2015年の3月とか,2016年の1月とか3月とか,頑張って減らそうとしているのがわかるでしょ.前月の請求額を見て反省して,もう課金しないと誓うんです.誓うんですけど,ご覧のように1ヶ月我慢するのが限界です.反動があります.

そんな私ですが,2016年7月を最後にパズドラへの課金は一切しなくなりました.というか,パズドラをすっかりしなくなりました.その理由は,グラフにあるように「ポケモンGOを始めたから」です.この理由を自分なりに分析すると

・同じデバイスを使っているため,物理的にパズドラとポケGOを同時にすることができない.
・ゲームに費やす時間は限られているため,その限られた時間を2つに分けることはできない.
・人はそもそも複数のものに同時にどハマりできない(?)

といったところでしょうか.

(2017年1月14日追記)2013年11月と12月は「魔法使いと黒猫のウィズ」にも課金していて,そのぶんパズドラへの課金額が減っていることからも「同時にできない」ことがポイントなのだとわかります.総計での課金額が上がっているので,意味ないですけどね.

私はこれによってひとつの気づきを得ます.
「ゲーム中毒」と呼ばれるような状態から「少しずつ」「自らの意思によって」状況を改善していくというのは極めて難しい,ということです.この状況から脱出するためには「別のものにハマる」ようにすることが最も効果的なのではないかと感じました.もちろん,次にハマるものでも同様の問題が出てくると意味がないわけなので,「よりマシなものにハマる」ことが実際には有効なのではないかなと思っています.

そうです,グラフを見て賢明な読者の方はすでにお気付きのことと思いますが,私は課金地獄から抜け出した訳ではありません.額が小さくなっただけです.「よりマシなものにハマった」だけなんです.ただ,ポケGOはパズドラと違ってガンガン課金するような要素がないんです.移動し続けないと変化が生じないために,1カ所にいるときにずっと時間を費やせるようなゲームではないんですよね.

こういうことを意図してパズドラからポケGOに移ったのかと問われると,答えはNOです.偶然です.

で,長くなったので最後にまとめておきます.
・ゲームがやめられないという状態は思ったよりも簡単になる.飽きる=やめられる,ではない.
・健康障害が生じる状態・生活に支障が出る状態が悪.ハマる行為そのものは悪ではない.
・健康を害する状態になっているのであれば,対策したほうがいい
・「少しずつ」「自らの意思によって」状況を改善するのは不可能に近い
・とはいえゲームはすでに本人のモチベーションの維持,ストレスの解消,コミュニティとの接点,などの重要な生活上の要素となっているので,対策にはそれら要素を念頭に置くことも必要
・「よりマシなものにハマる」ようにスライドさせていくことができればいいのではないか

まあこの結論が正しいかどうかわかりません.ポケGOのシステムが変わってガンガン課金するようになるかもしれませんしね.
最後にこれだけは言っておきたいのですが,僕はゲームにはハマっていましたが,仕事はちゃんとしていました.ちゃんと論文も書いてました.ゲームしてなかったかもっと書けてたんじゃないか?という問いに関しては真摯に受け止めて反省材料にさせていただきたいと思います.

2017年1月14日の追記の追記

元々のデータはこんな感じで月単位ではなくって日単位で入力してあります

つまり,分析しようと思えばもっと細かく分析できます
論文になるんやったらもっと真剣に分析するんやけどなぁ

論文になったらおばあちゃんも浮かばれるかな.

2017年1月24日の追記

このブログ記事がきっかけで週刊誌AERAの取材を受けました.2017年1月30日No.5 の「[大特集]依存から私を守る」の中の12ページから13ぺーじにまたがって少し.

2017年2月2日の追記

この記事内には出てこないけれど,岡さんは他にも釣りやロードバイクにハマっていると話しているので,そちらの効果では?といった内容のコメントをいただきました.確かに魚を釣っている最中やロードバイクに乗っている最中はスマホゲームはしていないのですが,そもそも釣りやロードバイクに乗る機会は,平均すると3週間に2回程度です.3週間に2回程度だとスマホゲームの抑止力や代替にはならないのです.なので,僕は「同じ媒体で,同時にできないようなものにハマり替える,つまり別の『よりマシな』スマホゲームゲームなどにハマり替えること」がポイントではないかと考えています.

2017年2月2日の追記

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